食事好きの私と主人、そして長年の友人の3人でひとつの企画が立ち上がりました。
…といっても大層なものではないのですが。。
その名も、「たまにはいいレストランで食事しよう」。
「いいレストラン」といっても、予算は食事で500krが目安。それよりランクが上がると1000kr以上になるので、それはもっと出世してからのお楽しみ…。
3人とも、食べてはいちいちコメントしたい人なので、食事中は料理やワインについて言いたい放題。そうやって食事を楽しむ会です。
そして先日、第1回を敢行しました。まったく個人的な企画ながらも、その記録をこちらのブログで残させてもらいたいと思います。みなさんのコペンハーゲンでのレストラン選びの参考になれば幸いです。
今回の会場は地下鉄Forum駅から100mほどの距離にあるレストランRadio。
選定理由は、トリップアドバイザーで常に上位にいること、そして知人間での評判もいいことでした。
また、これは後日調べて分かったのですが、シェフは星付きレストランNOMAやGERANIUMで副料理長などの経験があり、2011年のデンマーク最大の料理コンテストSol over Gudhjemでは優勝を果たしたそうです。
お店の特徴は、モダンで都会的な雰囲気がありながらも、自然や人間性が感じられる内装。さらに、契約農家や漁師との協力のもと、古くから存在する珍しい野菜や季節の食材、新鮮な魚介を使ってオリジナルの皿を作り上げること。
さて、どんな料理が出されるかと、このお店のHPでメニューチェックすると、素材しか表示されていません。それを組み合わせて、その季節だけの料理が出来上がるというわけ。…このコンセプトはちょっと興味深いです。
例えは7月の素材は以下のとおり。
ホタテ、グリーンピース、ピスタチオ
メルルーサ(魚)、スモークチーズ、ズッキーニ
じゃがいも、きゅうり、エルダーフワラー
豚肉、ブロッコリー
ラズベリー、アーモンド、タイム
この素材をどう組み合わせてどんなお皿に仕立て上げてくれるのか、楽しみなところ。
こちらがお店の外観ですが、なんともシンプル。私は気づかずに通り過ぎてしまったほどです。
大通りには近いものの、周辺はアパートばかりなので、閑静な雰囲気。向かいにはRadiohusというコンサートホールがありますが、このときはイベントが開催されていなかったので、さらに静かな空気が流れていました。
店内はおしゃれなダイニングルームのような、落ち着いた雰囲気です。
私たちの席はキッチンとつながるウィンドウの前でした。
全部で40席ほどですが、天井も高く、席間もちょうどいいスペースがあるので、落ち着いて食事することができました。
メニュー構成は食材の提示だけだとすでにお伝えしましたが、3品(350kr)or5品(435kr)のチョイスがあります。また、ワインのマッチングメニューがそれぞれ275kr、475kr。もちろんノンアルコースメニューもありますのでご安心くださいね。
さて、私たちはせっかくですし、お得感もあるので5品コースを選びました。ワインは白、赤それぞれボトルを1本ずつシェアすることに。
と、その前にまずはスターターで駆けつけ一杯のビールから!
アイスランドのブリュワリーだそうです。現地でも大手メーカーというわけではないようで、シェフ自ら珍しいビールを探したら行き着いたのだとか。
ホワイトは夏の味わい。IPA(インディアンペールエール)はホップの香りが高く、ブラウンは大人なコクが。
アミューズに根セロリのフィンガーフードが出てきました。
パリパリに見えますが、実はマリネしてあって、酸味が効いています。中に何かのクリームが入っていたのですが、すでにこのとき酔っ払っていたのか、覚えていません!すみません!でもマイルドで酸味との相性も良く、美味しかったです!
また、パンは自家製でモチモチの食感がなかなか良かったです。小麦の風味もありました。
バターも自家製であめ色玉ねぎ入りということでしたが、これはなくても良かったような…。さらにバターは既製品でもっと美味しいものが見つかるので、ちょっと残念でした。(ゴメンナサイ!!)
さて、ここからが本番。5皿もあるのでサクサクいきますね!
まずは1品目。
柔らかく火入れされたホタテに手長エビの泡ソース。豆苗の葉とローストされたピスタチオが乗っています。
ホタテは固すぎず生すぎず、いい感じの食感でした。エビの泡なので美味しくないわけがありません。ただ、豆苗が少し青臭くて気になりましたが、それをピスタチオの香ばしさがカバーしている感じ。これは納得の美味しさでした。
2品目。
メルルーサというヨーロッパ独特の白身魚とスライスしたズッキーニ、長時間スモークされたチーズのチップ。
こちらの魚も火入れが上手で、しっとり柔らかかったです。また、塩が少し効きずぎの感がありましたが、ズッキーニのフレッシュ感で中和され、いいハーモニーでした。チーズのスモークチップがおもしろかった。
実は料理の間にあーだこーだとくだらないコメントもあるのですが、それを書いていると終わらないので…。
次3品目!
じゃがいものローストです。合わせられているのが、エルダーフラワーのシロップをまとったきゅうり、スプラウト、ポテトチップス。
おいも自体は美味しかったですし、エルダーフラワーのアイディアも面白かったです。願わくば、ポテトチップスも自家製であってほしいですが、真相は分からず。
次はメインのお肉。
このお皿が出た途端、思わず「乙女!」と口走ってしまいました。だってこんなラブリーな皿、見たことないんですもの。
ピンクの正体はローズヒップ。豚肉と合わせると、口の中が薔薇に染まります。横のドライトマトとりんごジュースのペーストはバーベキューソースやケチャップ感が満載で、おしゃれなポークチャップという感じでしたが。
お肉は火入れがちょうど良く、味ももちろん美味しいですが、付け合わせのブロッコリーが特に良かったです!甘くてこれぞ素材の味、という感じでした。
駆け足で来ましたが、ここまでが食事。ワインもいい感じで飲み終わり、後はデザートを待つのみです。
その最後のデザートがこちらでした。
大粒のラズベリーとタイムのアイスクリーム、メレンゲ添え。
パセリやバジルのアイスは食べたことがあったのですが、タイムは初めて!タイムの香りはもちろんありますが、どことなく海苔や抹茶の香りもありました。意外と肉厚のラズベリーに合います!
5品食べ終えて、かなりお腹は満足でした。ビール1杯ずつとワイン2本も空けてるんだから当たり前か?
全体的な感想を言うと、このクオリティで435krは全然悪くないかと。途中突っ込みどころはいくつかありましたが、火入れや味付けもちょうど良く、美味しくいただけました。また、農家と直接やりとりしているだけあって、野菜類には旨みが感じられました。
実はあまり期待していなかったのですが、実際食べてみるとノルディックキュイジーヌというよりフレンチの要素が強く、けっこうしっかり作っているな、という感じです。細工せずに、素材がちゃんと見える分かりやすさもよかったです。
ただひとつ言うなら、ワインが今ひとつだったかな、と。
もしかしてペアリングのワインにすれば良かったのかもしれませんが、ちょっと管理も謎に思う部分もあり、そこが唯一の考えどころかもしれません。
一方、サービスの方はメニューの把握、説明の丁寧さ、声がけなど、デンマークのレストランにしては悪くない。ぞんざいな対応や把握不足なんてのはザラなデンマークですが、態度も良く、丁寧さや清潔感もあったので、これはマル、です。
さて、久しぶりの夜の外食、楽しかったです。雰囲気も良く満足でした。他に試したいレストランがたくさんあるので、いつかは分かりませんが、また来てもいいかも。周りにはおすすめしたいレストランです。
ちなみに3品コースではもしかしたら物足りなさがあるかもしれません。1皿1皿のボリュームがあるわけではないので。個人的には5品コースがおすすめです。
あ、それからお店は2017年7月23日〜8月15日まで夏休みだそうですので、お気をつけください!予約はお店のHP上でも可能です。また、金、土曜日はランチ営業もしています!
この企画を定番化する予定ですが、とりあえず次は秋かな…?
また近いうちにご報告できれば、と思っています!
Restaurant Radio
Julius Thomsens Gade 12
1632 Copenhagen V
http://restaurantradio.dk
ディナー 火-土 17:30-24:00
ランチ 金-土 12:00-15:00
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