素敵なレストランを見つけてしまいました…。
といっても、安くて美味しい、昔の雰囲気が漂う地元のお店。おしゃれとかモダンとか、今流行りのものとは対極の素敵さなのですが、新ノルディックキュイジーヌとか泡とか粉とか、そんな料理に疲れた時、じんわりお腹を温めたい時に最適のレストラン。
それながら、そんなに閉鎖感もないので、初めてでふらっと訪れても十分ゆっくりできそうです。
今日はそんな昔ながらのデンマークが味わえるレストランをご紹介します。
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話題のレストランやバーが集まるKødbyen
最近、日本のメディアでも頻繁に目にするようになったコペンハーゲンの「ミートパッキングエリア」。デンマーク語ではKødbyenと呼ばれていますが、日本語で言うと「食肉加工場」ですかね。
その名の通りの場所で、卸業者の倉庫や業者向けスーパーが立ち並び、もともとはそこで働く人やレストラン関係者ぐらいしか訪れないところでした。また、空き倉庫も多かった。
それが、1990年代から始まった再開発で、少しずつレストランやカフェが増え始めたそうです。特にここ10年での変わりようは目を見張るものがあります。
魚介レストランFiskebarenやオーガニックレストランのBOBは、再開発初期からここに店を構えていて、今では有名ですが、それ以外にも新しいお店が続々登場しています。
以前、Kødbyenのタコスショップを取り上げましたが、新しいレストランやおしゃれなバー、カフェが集まり、自然とコペンハーゲンじゅうから人が集う場所となりました。
また、週末には立つ屋外フードコートも今では定番で、天気のいい日には大勢の人で賑わいます。
Kødbyenはコペンハーゲン中央駅からのアクセスも良く、内容も充実しているので食事利用におすすめ。このブログでもおいおい取り上げていこうと思っているので、別の機会でもお付き合いくださいね。
見た目イマドキ、中はレトロ
さて、問題のレストランですが、そのKødbyenの一角にあります。
実は、この前を何度も通っていて、このお店の存在も知っていたのですが、なかなか入る機会がなかったのです。
それが今回、当初の目的だったレストランが閉まっていたので、計画変更。前々から気になっていたこちらに挑戦してみることになりました。
さて、お店の看板からは、ちょっとおしゃれな若者の集まる場所のように思えます。…どうでしょう?
ところがところが、実際に入ってみてびっくり!
20年ほど前のデンマークの空気(知らないけど)が流れる、レトロな場所だったのです!
壁の色や席の古びた感じ、照明やカーテン、装飾のひとつひとつに時代を感じられます。
しかもお客さんはオジさんや老夫婦がぽつ、ぽつと。
なんだろうこれ、なんだかすごい店に来ちゃったぞ…。えっ…店変えようか??
てっきり若者のイケイケダイナーだと思っていたので、中とのギャップがすごくて、脳内を整理するのに時間がかかり、立ち尽くしていました。でもカウンターの中ではいい感じにお年を召したおばあちゃんが「へいらっしゃい」てな様相で待っている。
というわけで、注文しないわけにはいきませんね。現実に戻って急いで注文を済ませた次第です。
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コペンハーゲン中心では信じられない驚愕価格!
注文は、このいい感じに古ぼけたカウンターでします。メニューは手書き、支払いは前払い。
お店のウィンドウにもメニューが貼ってあり、それを見て決めてはいたのですが、実は驚くべきはもうひとつ、その価格。
ローストチキン1/2が45kr、丸ごとでも60kr、デンマーク料理のFlæskesteg(ローストポーク)が70kr!?
コペンハーゲン中心地で、しかも話題のエリアKødbyenでこの値段はありえない!
同エリアにあるレストランは、前菜でも一皿100kr、メインは200kr前後というところが多い中の、この価格。そうでなくても、観光地付近のデンマーク料理店でローストポークを食べたら倍はしますヨ!
というわけで、そのローストポークと、Parisien Bøf(ハンバーグ)ともに70krを注文。
さて、どんなお皿が来るのか楽しみです・・・
こちらも驚きのボリューム
10分ほどかかるよっと言われたので、訪れるお客を見ながら待っていました。
ちょうど12時をまわったところだったので、どんどん混んできました。どういうわけかオジさんやお年寄り率が高い。見ていると常連さんが多いようです。お店のおばちゃんと談笑したり、慣れた手つきでセルフサービスしていたり。どうやら地元に親しまれているお店だと分かりました。
一方、若い女の子なんて入ってきません。なぜか?その理由は…
このボリューム皿!
はみ出しそう!というかもうはみ出てる??
厚めのお肉が2切れ、ゴロゴロじゃがいもは紫キャベツの酢漬けの下にも隠れています。ブラウンソースと、デンマーク料理には欠かせないカリカリ豚の皮!
また、ハンバーグの方は冒頭の写真を見ていただきたいのですが、野菜の量も多いです。ポテトフライでごまかすことなく、いろいろな野菜や豆が添えてあるのは珍しく、ちょっと嬉しい。
これはホントに、正真正銘のデンマーク料理。しかも70krでいいの!?という量。
かなりのボリュームなので、若い女子が寄り付かない理由はこれなのかな…?いやいや、でも女子もがっつり食べたい時は食べたいですよね?ちなみには私は完食いたしました!
そしてお味ですが…
全然悪くない!こちらでありがちな、肉に下味がついていないということもなく、特にジャガイモの塩味感がブラウンソースと良く合っていました。皮のカリカリ感も硬すぎず柔らかすぎず絶妙。
そして何度も繰り返しますが、100kr出してもお釣がくる価格とは…。すごい、の一言。
オープンは40年以上も前
なんて言うんでしょう、食べた後の爽快感。
料理にも価格にも、地元らしいお店の雰囲気にも満足です。
日本でもありますが、ふらっと入った定食屋がとてもいい感じだったときの嬉しさ。次は何食べようかな、とか。また来よう、と思えるおばちゃんとのやりとりもありました。常連だけでなく、一見にも優しいとは、デンマークではなかなか出会えない出来事かもしれません。
昭和なんてデンマークにはないけど、昔の良さを彷彿とさせるお店。私は好きです。
地元の雰囲気、デンマークらしさを味わうにはもってこい。さらに、デンマーク人ばかりのお店なのに、初めてでも異国人でも居心地よくしてくれるおばちゃんにもあっぱれ。
気になってどんなお店なのか調べてみました。
すると、なんとオープンは1974年!今から40年以上も前です。
食肉加工場がまだまだ活気に満ちていた頃、そこで働く人や長距離トラックの運転手などに親しまれていたそうです。このボリューミーな料理はその頃からで、働く男たちの空腹を満たしていたんですね。
また、人気メニューのひとつにBøfsandwich(ビーフサンドイッチ、つまりハンバーガー)があるそうです。ソースがかかっていないのが巷のバーガーですが、こちらはブラウンソースをかけて、違った味わいにしているとのこと。
バーガー好きとしては見過ごせない、このメニュー!次はこのサンドイッチを食べます!
おしゃれなノルディックキュイジーヌもいいですが、素朴なデンマーク料理もいかがでしょう。リーズナブルな価格でお財布にも優しく、お腹もいっぱい!
コペンハーゲン中央駅からは徒歩でも10分程度、周辺にはホテルも多いエリアなので、アクセスは悪くないと思います。もし気になったらぜひ足を運んでみてくださいね!
Chicky Grill Bar
Halmtorvet 21
1700 Copenhagen V
月-金 9:30-0:00
土日 休
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